2012年7月

ちょへらん団子

3.jpg

団子の形が、ご飯をよそう「おもどし」に似ていることから、この名前で呼ばれている。田植え、稲刈りの時には昼ご飯のおかずは「せしからの煮物、くじらの味噌和え、飛魚の塩焼き」、おやつには「ちょへらん団子」ときまって出るものだった。また、国分地方ではこれを「したびあだご」と言って、田植えのすんだ祝いの『さのぼい』の団子として作られてきた。田植えの他にも七夕さまの前夜祭ともいうべき『ねぶいはなし』の晩に七夕竹から落としたササの葉を敷いた皿に『したびあだご』『おとしえ』『すいか』を盛った。

((ちょへらん団子))

【材料】  ・・・・・・6枚分

・小麦粉         100g
・重層           小さじ1強
又はベーキングパウダー 小さじ1
・黒砂糖          20g
・湯             適宜

【作り方】

1、小麦粉と重層をよく混ぜる。

2、①にお湯(手をつけらけるくらいの温度)を少しずつ入れながら耳たぶくらいの固さに混ぜ合わせる。

3、黒砂糖は薄く削っておく。

4、②の手のひらで1~105mmくらいの厚さに伸ばし煮たった湯に入れて茹でる。

5、④を適当に切り③をまぶしつける。

【一口メモ】

したびあだこの食べ方
『黒砂糖とはったい粉』『黒砂糖ときな粉』『黒砂糖と小豆あん』をからめて食べる。 

かんころ団子

2.jpg

 食べ物が不足していた頃、『かんころ団子』を主食としていた。冬場はさつま芋があるが、夏場にはさつま芋を薄く切って乾燥させた『こっぱ』を使ってよく料理した。この団子も『こっぱ』を使ったものである。
 昔は、小豆も砂糖も米の粉も入っていなくて、柔らかい芋だけの『かんころ』を手にベタベタとつけながら食べたものだった。見た目にはとても素朴なものであるが、作り手の愛情が伝わる上品な味である。

((かんころ団子))

【材料】   ・・・・・・・15人分

・こっぱ        500g
・小豆         100g
・もち米        80g
・砂糖         100g
・小麦粉        適宜
・塩           小さじ1/5
・水           1.8リットル

【作り方】

1、こっぱを洗い、ひたひたの水に2時間程度火他しておく。

2、小豆は柔らかく煮ておく。

3、もち米を洗い①②の材料を釜に入れ柔らかくなるまで煮て、水分が少なくなったら、すりこ木で細かくつぶす。

4、砂糖、塩を加え、小麦粉を入れながら固さを整え、適当に切っていただく。

【一口メモ】

・ゆでこっぱを使う場合、水に浸すときはひたひたくらいにする事。あまり入れすぎるとどろどろになるので気をつける。

・最後に加える小麦粉の代わりにそば粉を使うとさらに美味しい。

小麦だんご

1.jpg

屋久島では、5月16日は昔から山の神が田の神に移り変わる日とされ、水神様を祭った。神とカッパを一体化した昔の人々は、この日、子供達が川で安心して遊べるように、川のカッパに向かってこの団子を投げ入れ供養した。
また、山一面にシャクナゲが咲き誇る6月の頃、家内安全の祈願をする岳詣りが行われた。この詣りはとても神聖なものとされ、高等小学校を卒業した女子は登ることを禁ぜられ、また、必ず一軒から1人は岳詣りに参加した。この一行を迎えるために集落中がご馳走を作って迎えたが、その中に小麦だんごもあった。

((小麦だんご))

【材料】  ・・・・・60個分

・さつま芋      500g
・小麦粉       150g
・米の粉       100g
・小豆         250g
・砂糖         200g 
・塩          小さじ1

【作り方】

1、さつま芋は皮をむいて適当に切り蒸す。

2、①が暑いうちにすり鉢でよくすり潰し、小麦粉、米の粉を加えてよくこね丸める。

3、沸騰した湯の中に塩をひとつまみ入れ、丸めた団子をゆがく。(浮かび上がったら煮えている。)
※この時、くっつかないように水の中に入れ、ザルに上げる。

4、別鍋に小豆を煮て砂糖を入れとろとろした小豆あんを作り、③の団子を入れてから混ぜる。

【一口メモ】

・※の粉の代わりに小麦粉(さつま芋の半分の量)だけでも良い。

・あんは黒砂糖をどろどろに煮溶かしたものでも良い。